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G検定 計算問題の解説 【過去出題した数学問題例の紹介】

G検定の試験には2017年に新設して以来毎回、数問の計算問題が出題されています。近年のそのウェートが下がっている傾向にありますが、傾向と対策をおこない確実に正解することで確実に検定試験の合格ができます。

また、数学に自信がない受験者も多くいると思いますが、G検定に出題される計算問題はある程度限定されるので対策がし易いです。

そこで本記事では、G検定の計算問題に自信がない方のために、以下の点を紹介します。この記事を参考にしていただいて自信をもってG検定に臨んでください。

この記事を読んでわかること
  • G検定に出題される数学問題の解説
  • G検定特有の計算問題の解説
  • G検定の計算問題対策にオススメのテキスト紹介
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出題される計算問題

G検定の計算問題には、「一般的な数学問題」と「機械学習に関する問題」があります。一般的な数学問題を回答するためには高校1年程度の数学の知識を身につける必要があります。機械学習に関する問題は、基本的には公式テキストに沿って学習することになります。

一般的な数学の知識に関する問題

行列の和・積

ニューラルネットワークの誤差逆伝播法は行列演算によって処理されており、実際の順伝播・順伝播の算出方法はこれらの線形代数を複雑に算出することになります。

\( \left( \begin{array}{cccc} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{array} \right)+ \left( \begin{array}{cccc} b_{11} & b_{12} \\ b_{21} & b_{22} \end{array} \right)= \left( \begin{array}{cccc} a_{11}+b_{11} & a_{12}+b_{12} \\ a_{21}+b_{21} & a_{22}+b_{22} \end{array} \right) \)
\( \left( \begin{array}{cccc} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{array} \right)+ \left( \begin{array}{cccc} b_{11} & b_{12} & b_{13} \\ b_{21} & b_{22} & b_{23} \\ b_{31} & b_{32} & b_{33} \end{array} \right)= \left( \begin{array}{cccc} a_{11}+b_{11} & a_{12}+b_{12} & a_{13}+b_{13} \\ a_{21}+b_{21} & a_{22}+b_{22} & a_{23}+b_{23} \\ a_{31}+b_{31} & a_{32}+b_{32} & a_{33}+b_{33} \end{array} \right) \)
\( \left( \begin{array}{cccc} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{array} \right) \times \left( \begin{array}{cccc} b_{11} & b_{12} \\ b_{21} & b_{22} \end{array} \right)= \left( \begin{array}{cccc} a_{11}b_{11}+a_{12}b_{21} & a_{11}b_{12}+a_{12}b_{22} \\ a_{21}b_{11}+a_{22}b_{21} & a_{21}b_{12}+a_{22}b_{22} \end{array} \right) \)

二次方程式の解

二次方程式の解を導く問題は以下の通り算出してください。場合によって下の2式を使い分けてください。

二次方程式の解

ax2+bx+c=0

$$x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$

ax2+2bx+c=0

$$x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-ac}}{a}$$

微分係数の計算

f'(a)の計算 (x=aの傾き)

常微分の計算

(xn)’ = nxn-1

偏微分の計算

着目した文字以外は定数とみなします。定数を微分すると0になります。

勾配降下法の計算では、多次元問題となるため偏微分を用いられます。

期待値の計算

期待値とはある試行を行ったときその結果として得られる数値の平均値です。

期待値の出題例

サイコロの期待値 : 1/6*1 + 1/6*2 + 1/6*3 + 1/6*4 + 1/6*5 + 1/6*6 = 3.5

期待値の式

$$E[X]=\sum_{i=1}^{n}{piXi}$$

pi : 確率
Xi : 確率変数

三平方の定理の計算

三平方の定理

$$a^2+b^2=c^2$$

G検定特有の数学の問題

ニューロンの数理モデル

ニューラルネットワークの一般的な数式として「単純パーセプトロンの式」があります。

「単純パーセプトロン」に関する出題例
  • 与えられたw、x、bの値を用いてuを求める問題
  • 算出したuの値から、出力値を求める問題 (0 or 1)
単純パーセプトロンの式

u = w1x1 + w2x2 + w3x3 + b

u ≦ 0 なら y=0 を出力
u > 0 なら y=1 を出力

x : 入力
y : 出力
w : 重み
b : バイアス
f(u) : 活性化関数

畳み込み演算

・フィルタ(カーネル)を用いて画像から特徴を抽出する演算
・入力画像の幅(高さ)から特徴マップの幅(高さ)を求める

評価指標

正解率(Accuracy)

全データの中で、どれだけ予測が当たったかの割合

(TP+TN) / (TP+FP+TN+FN)

適合率(Precision)

予測が正の中で、実際が正であった割合

TP / (TP+FP)

再現率(Recall)

実際が正の中で、予測が正であった割合

TP / (TP+FN)

F値

適合率と再現率の調和平均

F値(F measure) = (2 × precision × recall) / (precision + recall)

計算問題対策のオススメ参考書

高校数学からはじめるディープラーニング

高校数学の復習を兼ねて学習するならこちらの参考書をおすすめです。丁寧にわかりやすく解説しているので、数学を基礎から復習することができます。

人工知能プログラミングのための数学がわかる本

すでに数学のバックグラウンドがある場合は、日本ディープラーニング協会の推薦図書にも指定され機械学習に特化して解説されているこのテキストがおすすめです。

人工知能の分野では具体的にどのような計算が行われるのか解説されており興味深いです。文系学生には少々難易度が高く機械学習に関わるプログラマー向けの図書です。時間に余裕があればぜひ挑戦してみてください。

著:石川 聡彦
¥2,475 (2024/10/03 10:59時点 | Amazon調べ)

まとめ

本記事ではG検定に出題される計算問題について解説していきました。先日開催された2021年度#2の試験では、なんと計算問題の出題は0問、G検定での計算問題の比率は近年下がっています。

しかしながら、ディープラーニングや機械学習を実用レベルまで理解するには高校レベルの数学の知識が必須となるため、ぜひ学習してください。

本サイトではG検定合格に向けたさまざまなコンテンツを提供しています。G検定の全体的な学習方法は下の記事にまとめているので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

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